サージェリーファースト(外科矯正)

サージェリーファースト(外科矯正)とは?

先に外科的手術を行い、治療期間を短縮

サージェリーファースト(外科矯正)とは?

単純な歯並びの不正だけではなく、顎や顔形の骨に影響している問題に関わる矯正治療において、その英語の言葉どおり、先に外科手術を行い、その後に歯列矯正を続けるという、比較的新しくて有効性が見込める治療法です。先に外科的手術を行うことで、治療期間が短くてすむというメリットがあります。
従来方式でもそうですが、サージェリーファーストでは、当然ながら外科手術は形成外科のドクターが執刀し、矯正治療は矯正歯科医が担当します。このように両者が連携プレーを行うことで、より確実な治療を目指すことができます。

従来の外科矯正とサージェリーファーストの違い

術前矯正を省き、先に外科手術を

いままでも、外科手術を伴う矯正治療は行われてきました。その場合、通常は手術の前に一度、矯正治療を行って歯並びや咬み合わせなどを整えた上で、それから外科手術を実施。術後の安定を待って、再び矯正治療を行という、二段階方式です。手術をはさんで、前後に矯正治療を行うので、かなり長期にわたる治療となります。
一方、サージェリーファーストでは、術前矯正を省き、外科手術を先にすませたのちに術後の矯正治療を行います。術前矯正がないことで、治療期間は従来よりも短くてすむ点が特長です。この方法は、不正咬合(よくない咬み合わせ)や顔が曲がっているといった外見上に影響する悩みを持つ方に向いている治療法です。

サージェリーファーストのメリット

サージェリーファーストのメリット

術前治療を省いて、外科手術→矯正治療を行うサージェリーファーストは、特殊なアプローチながら、矯正問題を抱える患者さまにとってはメリットがあります。

治療期間の短縮

術前の矯正治療を省くので、当然、全体の治療期間は短くなります。それでも問題はなく、むしろそのほうが骨の状態などからして、効率がよくなることもわかっています。矯正はしたいけれど、時間をとられたくない方におすすめです。

手術を先にするほうが矯正の早道

手術を先に行うほうが、歯の移動が早くなります。というのも、手術で顎や顔の骨を調整した結果、正常な位置にあれば、見た目も改善される上に歯が動きやすくなり、咬み合わせを動かすにしても正しい位置にもっていきやすいからです。
通常は骨の状態を見守りながら、矯正を終えるのに時間がかかりますが、サージェリーファーストなら、ある意味、治療方法の早道といえます。

手術を先に行うことで、骨の再生能力がアップ

上の項目にもあるとおり、サージェリーファーストだと早い治療効果が見込めるのは、手術を行うことで骨の再生能力が活性化され、その効果が矯正治療に活かされるからです。
骨はもともと数カ月かけてつくり直されるシステムを備えた“生きている臓器”。そんな骨に手術の刺激が加わると、再生能力が活性化されることから、そこにつながる歯の動きも早くなるのです。

サージェリーファーストについてのノウハウ

サージェリーファーストは、最新治療ではないものの、比較的新しい方法で、注目を集め始めたのは最近です。したがって、一般の矯正歯科院ではまだ治療法として取り入れているところは少ないでしょう。
市川矯正歯科医院本院では、サージェリーファーストと同様の治療法「アーリーサージェリー」を30年も前から手がけ、症例も多く蓄積しています。その経験を踏まえると、当〈E-space〉でもサージェリーファーストを行うに足る実績と技術には自信があります。

(注)サージェリーファーストを受ける点での注意点

まだ一般的に確立された治療法ではないので、手術や矯正ともに熟練の技術と経験が求められる治療法ですが、それらを完全に習得していて、安心してまかせられる矯正歯科医は少ないといえます。
そこで、サージェリーファーストを希望するなら、矯正歯科医院選びが重要になります。そうしないと、必ずしも目指す効果が得られないからです。ちなみに、サージェリーファーストは自費診療となります。

サージェリーファーストの治療の流れ

サージェリーファーストの治療の流れは以下のとおりです。当〈E-space〉の担当医だけでなく、提携している医院などの医師とともにチームで手術、治療にあたります。

初診(カウンセリング)

1初診(カウンセリング)

当院にて、お口などの状況を診察し、デジタル器機などによる精密検査を実施します。​

さらなる診察

2さらなる診察

提携先の大学病院形成外科、または美容外科で診察を患者さまご自身で受けていただきます。

3担当医師同士の話し合い

当院と②の診察結果などを基に、担当医師同士で相談。手術に必要な検査、手術方法などを決定します。なお、当院の場合、提携している外科医に手術の執刀をお願いしています。​

先に矯正装置を装着

4先に矯正装置を装着

手術後だと口が開けにくくなる上に、術後すぐに歯を動かしていく準備のために、手術に先駆けて約1カ月前に矯正装置を作製し、装着しておきます。これは単に手術の準備の一環で、矯正治療に入っているわけではありません。ワイヤー矯正にするか、マウスピース型矯正にするかは、担当医が決めます。​

手術~術後

5手術~術後

提携先医院にて、協力外科医が執刀。手術には当院の主治医も立ち会います。手術内容にもよりますが、術後1週間ほど入院していただきます。さらに3週間後ぐらいまでは、食事や会話、スポーツなどに制限があります。

矯正治療開始

6矯正治療開始

術後、約3週間~1カ月後ぐらいまで、骨が安定し、口が自由に開けられるようになるのを待って、歯を動かしていく本格的な矯正治療を開始します。その1年後ぐらいまでは、通常の矯正治療を続けます。骨の手術を行って、歯の動きがよくなったことで、手術を行わない治療と比較すると、矯正期間はかなり短くなる可能性があるといえます。

治療後のケア

7治療後のケア

通常の矯正治療同様、定期検診に通院していただきます。

サージェリーファーストとマウスピース型矯正との連携

手術を先にするほうが矯正の早道

顎の骨などの外科的手術を先に済ませておくことで、矯正治療の期間が短くなるサージェリーファースト。手術に続けて矯正治療を行いますが、そのとき最近では、普通の骨格の患者さまには、マウスピース型矯正を選択することが多くなっています。その理由には、マウスピース型矯正装置の項にあるとおり、非常に使い勝手がいいことなどが挙げられます。
ただし、マウスピース型矯正装置には向いておらず、従来の矯正装置を選択せざるを得ない患者さまがいるのも事実です。たとえば下顎が極端に小さい方、顔面の造作が極端に非対称な方などは、手術後の矯正ではワイヤー+ブラケット式となります。見栄えの点では、こちらの方式でも金属以外の装置もありますので、ご相談ください。

サージェリーファーストの治療費用

費用 1,000,000円~1,500,000円(税込み)

サージェリーファーストについてよくある質問

まだ標準治療と認知されていないこともあり、初診やコンサルティングの際に詳しく説明していますが、おおむね以下のような疑問点が患者さまから投げかけられます。

Q 手術しなければいけないのでしょうか?(お子さまについて親御さんから)
A
もちろん、手術がいやなら普通の矯正治療で済ませることもできますが、そもそも骨の形やバランスが悪い患者さまの場合、通常の矯正治療を行ったとしても、その効果には限界があります。歯の不正咬合などは完全には修正できないケースがあるからです。
とくにお子さまの場合はまだ発達過程なので、手術することで、短期間で矯正効果が見込める上に、後々再治療することになるリスクを避けやすくなります。そうした点でも、手術する方がベターといえます。
Q 入院は必要ですか?
A
手術後の骨の安定のために、最低でも術後1週間は入院していただいています。顔自体は腫れますが、それが完全に引くのは3週間後ぐらいです。入院や顔の腫れなど社会生活に支障をきたすこともあるので、仕事をしている方など心配ならば、担当医と相談の上、計画的に手術、治療を受けることをおすすめします。
Q 術後はいつから食事ができますか?
A
顎や顔の骨の手術をしているので、骨が元の硬さに戻って安定して、「噛む」という行為で力を入れても大丈夫になるまでには、実はかなり時間が必要です。術後、あまりに早い時期から普通食を食べてしまうと、骨がずれたりする可能性があり、せっかくの手術が予定どおりに奏功しないリスクがあるからです。
当院のケースでは、柔らかいものならおおよそ1カ月後からOKとしています。それまでは、病人食のような食事でも我慢していただき、晴れてOKになったら通常の食事を楽しんでください。
Q どこの病院で手術するのでしょうか?
A
サージェリーファーストは形成外科手術を行いますので、当院では行えません。提携している都内の専門病院にて、同じく提携している形成外科の先生に執刀していただきます。いわば、サージェリーファーストのチームの一員の病院にて手術を行います。
Q 保険内の治療ですか?
A
残念ながら、サージェリーファーストには健康保険は適用されません。すべて自費治療となるので高額となります。もし、健康保険内をご希望なら、通常の、矯正→手術→矯正という手順の治療を受けることをおすすめします。

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